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漆喰は体に悪い?漆喰業界の裏側の話

漆喰が体に悪いと言われる理由

漆喰が体に悪いと言われる理由を調べる方がいらっしゃるので、よく言われているそれら(正しいかどうかは下記で説明)を全て上げていきます。

(1)消石灰が強アルカリ性で危険
(2)漆喰だと思ってたものが漆喰ではなかった
(3)漆喰を塗ったらアレルギーが出た
(4)漆喰のメンテナンスなどでストレス

まとめるとこちらの4点が「漆喰は体に悪い」という検索で出てくることが多いです。

上記の4点全て、とても興味深いのですが、そもそも「漆喰が体に悪い」ということに繋がるものなのか。一つずつ確認していきます。

漆喰の隠れた危険性(強アルカリ性)

漆喰が危険だと言われる理由があるとすれば、まず挙げられるのがこの理由です。

上記の「(1)消石灰が強アルカリ性で危険」

強アルカリ性のものは、

目に入ると失明する、水分を含んだ状態でずっと肌についていると化学熱傷(やけど)の状態になると言われています。

ただ、アルカリ性が強いことは、漆喰のメリットでもある、

・防カビ、抗菌作用

があることが関係しています。

「失明」や「化学熱傷」という言葉で恐怖感を持つ方も中にはいらっしゃいますが、
身近に、掃除や消毒に使われるキッチンハイターや洗剤など、強アルカリ性のものは多く、そういったものには、同じように注意事項が書かれています。

ただ、これらの洗剤は、液体の状態で使って水で流したりします。

「漆喰は塗ったまま壁にあるから危ないじゃないか!」と思われるかもしれませんが、
漆喰が強アルカリ性なのは、粉の状態の時と、塗るペースト状態の時です。

乾けば、その表面は中性化され、肌に触れても、舐めても、ただの石の状態になるので問題ありません。(完全な自然素材の場合)

粉とペースト状でその危険度は変わります。

慣れない方が、粉状態のものを練って漆喰を塗るのは、危険性が高く、お勧めできません。
DIYで塗るのであれば、ペースト上の漆喰であれば危険性は低くなります。

【粉状態の危険度:高い】

粉の状態は、強アルカリ性になる前の段階で、水分を含むと強アルカリ性をもちます。粉が目に入ったりすると、目の水分で強アルカリ性になるので、ゴーグルなどの保護をしないと危険です。
服の中に入ると、自分の汗、水分で強アルカリ性になり、化学熱傷を起こすことがあります。

以前、鳥インフルエンザで消毒に使われていた消石灰が防護服の中に入り、ヤケド(化学熱傷)になった例があります。

【ペースト状態の危険度:低い】

ペースト状態であれば、すでに混ぜられているので、気をつけさえすれば、粉が目や服に入り込むことはまずありません。

要は、塗る時に、

・目に入らないようにしましょう
・手袋をして手につかないようにしましょう

ということです。

ただ、肌についたとしても、全ての人が肌が荒れてしまうわけではありません。アルカリに弱い方、乾燥肌の方は赤みが出たりしますが、肌には皮脂膜と言って油成分で覆われているので、すぐには漆喰は浸透しません。

そのため、漆喰がついたらすぐに洗い流す、もしくは、少しついただけならば乾いてしまうので、固まってからポロッと取れます。

上記で記載した通り、固まると漆喰は中性化されるので、強アルカリ性による影響はほとんどありません。

では、反対に危険なのはどういう状態かというと、

「水分量が多く、肌に染み込む状態」つまり、軍手などをして漆喰のついた状態で道具などを洗い、漆喰の溶けた水が乾かない状態だと、肌に染み込む確率が高くなります。

あと、ビニール手袋をして、その中に漆喰の溶けた水が入り込み、ずっと濡れた状態でいるのも危険です。

安全性を考えるならば、軍手や手袋によって濡れた状態が続くよりも、素手で漆喰がついて早く乾くいた方が危険性が低くなります。

左官職人さんが軍手を使っているのをYouTubeでもよく見ますが、左官職人さんは、手につくような塗り方をしません。

慣れていない一般の方がDIYで塗ることをお考えでしたら、プロのやっていることをそのまま真似るのではなく、きちんと作業の内容や作業の理由の把握をして、初心者に向いている道具などを揃えることが安心・安全に繋がります。

漆喰の本物と偽物とは

漆喰の中に接着剤や化学合成剤が入っているというお話は、知らない方が多いです。

体に悪いという理由の「(2)漆喰だと思ってたものが漆喰ではなかった」は、
漆喰が体に良いと思ったから使ったのに、そもそも漆喰と呼べるものではなかったということです。

漆喰を使うことを考えた時に、その理由が、

「化学製品を使いたくない」
「体に良いものを使いたい」
「自然素材が良いから漆喰を塗りたい」

という理由の方は、メーカーにしっかりと中に配合されているものが、
本当に何も化学処理された材料がないかを確認する必要があります。

その中でも、施工を頼んだ場合、
材料を指定しなければ、どんな材料を使われているかわかりません。

実際、使っている職人も、今まで自然素材だと信じていたものが、
実は違う、とお客様に突きつけられる人が多くなっています。

プロの建築業者をはじめ、ほとんどの一般の方まで見落とされているのですが、漆喰と言われるものであっても、

・本物の自然素材100%の漆喰
・化学接着剤をはじめとする合成物質を添加された漆喰
・漆喰とは名ばかりの全く違う材料

の3タイプが出回っているのが事実です。

使う素材を確認せず、金額ばかりを見ていると、そういったことを見落としてしまいます。
しっかり選ばないと、漆喰を塗ったと思っていても、実際は、ビニールクロスやペンキと同じような素材を使っており、健康への影響も懸念されます。

これはシックハウス症候群や化学物質過敏症の方だけでなく、極めて健康な方も「漆喰を塗った後の家で体の調子がすぐれない」「塗りながら気分が悪くなった」といった症状に困る方もいらっしゃるのです。

漆喰は、塗料やクロスよりも費用がかかります。

自分が住まない建売業者ならともかく、ご自身が住む家では、わかって後悔するような危険性があるものを避けて本物の漆喰を塗りましょう!

漆喰塗料(ローラー塗り)のデメリットとは

「塗料」と聞くと、ローラーや刷毛で塗るペンキのようなタイプを思い浮かべます。
「漆喰塗料」と聞くと、同じようにローラーで塗るイメージが思い浮かぶことでしょう。

コテで塗る正規の漆喰の厚み1mmから2mmくらいと比べると、
このようなローラーや刷毛で塗る漆喰塗料では厚み0.1mmから0.2mm。
厚みが10分の1くらいです。
厚めに塗ったとしても0.5mmもいきません。

なぜ厚みに違いが出るのか?
それは、接着剤や水分で薄めているかどうかです。

漆喰の素晴らしい、

「抗菌効果」「カビの繁殖予防効果」「消臭効果」「湿気を取る」

という効果の数々は、漆喰の原料の消石灰が持つ強アルカリの特性です。

薄く、液体のようになったものと、厚みのあるものでは効果はどうなるでしょう?
当然、厚みのある方が消石灰の量は厚みのあるものの方が多いです。

漆喰ならでは効果は、消石灰の量、厚み、表面積の広さが必要となります。

実際、ペンキのような塗料タイプの漆喰は化学接着剤を多く入れてつくる必要があり、多くは漆喰風塗料(漆喰ではない)、水性塗料などと大差のない効果が感じられない性能になってしまいます。

漆喰は昔からの知恵である鏝(こて)を使って厚みを2mm程度で塗るのことで、性能・効果を発揮します。
加えていうならば、コテの跡が凸凹した方が表面積が広く、効果は高まります。

漆喰クロスのデメリットとは

漆喰クロスというものをご存知でしょうか?

ビニールクロスはビニールを壁紙にコーティングしている素材です。それと同じく、壁紙に漆喰をコーティングしている素材が漆喰クロスです。

「漆喰を壁紙のように貼れるならば、早いし便利なんじゃないの!?」

と思うかもしれませんが、壁紙は厚みが1mm以下と薄く、漆喰クロスの厚みも他の壁紙とほぼ同じです。
1mmの厚みの中には、裏紙、表紙、漆喰塗布部分、となっているため、漆喰の部分は当然1mmよりも遥かに薄い素材となります。

上記のローラー塗りの漆喰でのデメリットと同じように、漆喰はその厚みがあってこその調湿性能なので、クロスやペンキのようだとその効果を発揮できません。

加えて、壁紙と同じように90センチごとにつなぎ目ができます。このつなぎ目は、最初から見えるものもあれば、時間が経つごとにそのつなぎ目が目立ってくるものもあります。

塗り壁の見た目が良いと言うことで選ぶのであれば、漆喰クロスのクオリティーは、選ぶべきではないでしょう。

しかも、漆喰クロスは、珪藻土クロスと同じように金額が高いです。コテでDIYで漆喰を塗るよりも高いです。

本物の漆喰を塗るのと同じように金額が高くなるのであれば、もちろん本物の漆喰を使う方が後悔することがないです。

漆喰に天井を塗るデメリットとは

天井に漆喰は塗れないと思っている方が多い(なぜか職人の方が塗れないと言う)のですが、漆喰は天井にこそ塗って効果を発揮します。

というのも、湿気やニオイは上に登っていきます。そのため、天井に塗っていると、湿気を吸い取る調湿効果や生活臭などが消える消臭効果も高いのです。

デメリットがあるとすれば、
動かないしっかりとした下地の天井に塗らないと、家の揺れの影響を受けてヒビが入ることがあります。

例えば、和室のリフォームで、吊り天井や透かし天井など、板が薄いものを使っている場合、板自体が動きやすい止め方をしていたり、押さえたりすると浮き上がったり、凹んだりする薄いものもあります。

そういった天井は、一度、板を外して石膏ボードを貼り替えることで塗ることができます。

もし、プロに頼もうと思っているならば、当然、補強や張り替えなどしてくれるはずですので、天井こそ塗ることをお勧めいたします。

 

プロに任せず、DIYで漆喰を天井に塗るのも、難しいというのは思い込みです。
楽に天井を塗るコツは、ずばり、

・足場の高さを調整
・コテの角度

この二つです。
天井を塗ると思うと、首や肩を酷使して大変なイメージがありますが、上記の2点のコツを知るだけで、体の負担を感じず、天井を塗ることができます。

しかも、天井は、壁よりも障害物がなく、初めて塗る方でも、意外と「天井の方が簡単!」と言われる方も多いです。

天井の塗り方は、こちら↓の動画をご覧いただくとわかりやすいです。

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デメリットを打破!1人で天井を塗る場合

正攻法!2人で天井を塗ると簡単

上記は1人で塗る方法でしたが、2人以上でぬる場合は、もっと楽に塗ることができます。

複数で天井を塗る場合は、こちら↓の動画を参考にしていただくとわかりやすいです。

 

漆喰DIYでの危険性

近年人気の漆喰DIYですが、取り扱い方法を学んでいない方が多く見受けられます。

よくYouTubeを見ると素手や保護メガネもかけず塗っている方や靴もスリッパを履いたり、脚立ではなく回転椅子を使用している人までいます。

プロは正しい道具を使って、安全に塗っていきますが技術がないDIYになる途端、手抜きになっていますよね。

非常に危険です。主に2つのことに注意して塗りましょう!

危険性1 漆喰が目に入ったら失明の可能性があるって本当!?

漆喰を塗っている最中に「目に入ったこと」ありますか?

塗った方に聞くと、案外いるんですよね。

ロハスウォールのインストラクターでも・・実はわたしも・・

じゃあ、入った人がみんな失明してるのか?

答えは、「No(ノー)」です。

 

ネットや業者、病院の先生に至っても、

漆喰の危険性というと、

「入ったら最後、必ず失明する」というような言動が目につきます。

 

じゃあ実際はどうなのでしょうか。

体験したことのある人しかわからない、

自分たちの実体験や実際に起こったケースをお話します。

 

ひとまず、漆喰が目に入ると、

入った瞬間からとにかく痛いです。我慢できません。

漆喰が目に入ったとき、何が起こっているかというと、

角膜(たんぱく質)を分解しています。

 

ですが、いきなり失明するわけではありません。

消石灰が浸透し、溶かしてしまう前に流し出すことで、

ダメージを最小限に抑えることができます。

実際、わたしは漆喰が目に入ったことがあります。

その際、よくわかっておらず、病院にも行くことはありませんでした。

(みなさんは必ず行ってください)

その後、失明もしていませんし、視力も落ちていません。

 

これは、「消石灰」という、

「強アルカリ性」という性質によるものです。

 

この「強アルカリ性」は、

漆喰を塗る理由となる効果、

・消臭作用
・抗菌作用
・防カビ作用

などの効果を得るための性質であり、

「強アルカリ」であるからこそ、漆喰であると言えます。

ちなみに、石鹸は「弱アルカリ性」キッチンハイターは「強アルカリ性」です。

そう、ニオイや菌の原因のたんぱく質を分解するためには、

「強アルカリ性」でなければならないのです。

 

 

もし目に入ったら、とにかく早く眼科に行って診察を受けましょう!

怖いことを言うなあ、と思うかもしれませんが、

目は「失明の危険性」もあるから特に気をつけないといけません。

 

痛みが我慢できるからって放置すると、

治るのも遅くなるかもしれないので、早く眼科には行きましょうね。

 

その際は目に「強アルカリ性のものが入った」と伝えてください。

たんぱく質が再生できやすくなるような目薬を処方してくれるはず。

 

今までに、

お客さんの中にも、何人か入った話も聞いたのですが、

ちゃんと眼科に行き、目薬をもらって、みなさん回復しています。

入ったときは焦らずにまずはお医者さんに行くことが大切です☆。

これが自然素材ではないペンキなど化学合成樹脂だとさらに厄介です。。。

目に入らない対策とは

それは、「メガネ」を使うです。

一番良いのは、「保護メガネ」を使うことです。

 

危険性2 化学熱傷について

素手で漆喰を長時間触っていると、漆喰のアルカリ性が皮脂を溶かし火傷のような症状が起こります。

それが化学熱傷です。

漆喰DIYをする際には必ず手袋をして自分の身を守りましょう!

手袋は軍手では水分が染み込むため意味がありません。

使い捨てのビニール手袋が理想的です。

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