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漆喰と漆(うるし)の違いとは何か

2017/09/04 漆喰・珪藻土について 漆喰の遺跡
この記事は約 8 分で読めます。

漆喰と漆の違いって何ですか?

漆喰メーカーである私たちロハスウォールまでよく質問を受けます。

漆喰と漆は字が似ているので、同じものか、また、似た部類のものか?
そもそもが何が違うのか?

ということが気になるようです。

 

そこで「漆喰と漆の違い」についてお伝えすることにしました。

 

漆(うるし)とは、わかりやすく言うと

「天然のコーティング剤」といえます。

ウルシ科のウルシノキやブラックツリーから採取した樹液を加工した、
ウルシオールを主成分とする天然樹脂から作られる塗料です。

 

そんな漆は食用にもなっていました。

なんと、漆の新芽は食べることができ、
味噌汁や天ぷらにするとえぐみもなく美味いそうです。

(漆の新芽)

 

漆の使用目的としては、塗料や漆器、接着剤としても利用されており、
日本では黒く輝く漆塗り漆器が伝統工芸として有名ですね。
これは漆を表面に塗ることで器物が格段に長持ちする効果があるからです。

 

この長持ちするというのは漆喰と共通する点ですね。

 

そこで、日本の漆器を調べて見ました。

現代では分かる範囲で全国各地に以下の43ありました。

 

– 津軽漆器(弘前塗)研ぎ出し変わり塗りで有名。唐塗、七々子塗、紋沙塗、錦塗が伝承されている。

– 能代春慶(のしろしゅんけい)秋田の伝統工芸ですが後継者が途絶えているとのこと。

– 川連漆器(かわつらしっき)堅牢で実用性に優れる

– 秀衡塗 生漆に地の粉(じのこ)という土の粉を混ぜたものを下地として木地に塗り、乾いたら研ぎ、また塗るという作業を繰り返すもので、漆器づくりで最も工程が多く、漆器が堅牢になる下地です。

– 浄法寺塗 浄法寺漆はウルシオールの含有率が高く、良質な漆として知られています。

– 正法寺塗内は朱、外は黒漆塗りで、外に色漆で草花の絵を描きところどころに金箔が押してあります。

– 鳴子漆器墨を流したような模様を作り出す「竜文塗(りゅうもんぬり)」で有名です。

– 村上木彫堆朱(むらかみきぼりついしゅ)使い込むほどに艶が出てくる。木に彫りを施し、朱の漆を塗りかさねていくと いう手法。

– 新潟漆器変塗(かわりぬり)の宝庫と言われ、花塗、石目塗、錦塗、磯草塗、竹塗など様々なテイストがあります。

– 会津漆器 幅広く漆の技法を行っているため、花塗、変り塗(かわりぬり)、
– 会津絵、錦絵、朱磨(しゅみがき)、
– 鉄錆塗(鉄錆蒔絵)

– 栗野春慶 表面の漆を通して木目の美しさが見えるようにしているのが特徴。

– 日光彫  日光東照宮の技術者が起源だが、現在は漆は使用せず朱色の顔料を重ね塗りすることが多い

– 江戸漆器 日本の江戸の食文化と共に発展した漆器で、うな重の重箱で有名。

– 芝山漆器 横浜市で作製されており、細工が立体的に浮かび上がることが特徴

– 鎌倉彫  彫刻の立体感を強調する方法が特徴。

– 小田原漆器 強調されたけやきの木目と堅牢さを備えている。

– 静岡漆器 1884年の万国博覧会で銀牌を受賞。

– 木曽漆器 堅地塗り、堅地漆器ともいい、丈夫で美しいのが特徴

– 飛騨春慶(ひだしゅんけい)板を平面から立体的に仕上げ、木目の美しさを活かした技法

– 名古屋漆器 骨組みに和紙を何度も張り重ねて形を作るのが特徴

– 輪島塗  言わずと知れた、超有名な漆器。現在のような輪島塗の技術が確立したのは江戸時代だが、三引遺跡(七尾市)からは6800年前の漆製品が発見されている。

– 金沢漆器 大量生産ではなく、室内調度品や茶道具などの一品製作を特長としている。

– 山中漆器 石川県無形文化財に指定されています。

– 高岡漆器 骨董品として扱われるほどの渋めの製品。螺鈿、錆絵も用いられる。

– 越前漆器 白木地に「うるし」を原料とした椀・膳・重箱等「河和田塗」で有名。

– 若狭塗  若狭塗は若狭塗箸が有名で、国内生産の80%以上を占めている。

– 伊勢春慶 漆の量や作業工程が少ないため安価なのが特徴。

– 日野椀  千利休らが愛用したという記録もある。

– 京漆器  日常的に使う器というよりも「美術工芸品」としてのジャンルを築いている。

– 奈良漆器 加飾技法の1つ螺鈿(らでん)が特徴。

– 紀州漆器 全体的にシンプルでがっちりしている。

– 郷原漆器
普段使いの丈夫で美しい漆器

– 一国斎高盛絵 一子相伝の伝承法。

– 八雲塗  年月を経るごとにこの透漆が透明度を増し、描かれた文様が色鮮やかに浮かび上がるのが特徴。

– 大内塗  山口市在住の漆塗り職人が塗れば、それが「大内塗」になるというアバウトなところが良い。

– 香川漆器
蒟醤(きんま)存清(ぞんせい)彫漆(ちょうしつ)後藤塗(ごとうぬり)象谷塗(ぞうこくぬり)の5種類がある。

– 桜井漆器 沈金・蒔絵等の技法を現在に伝統を受け継いでいます。

– 久留米藍胎漆器 竹を裂いて薄く削って編んだ下地の籃胎が特徴。外観は雅で実用的。

– 長崎漆器   江戸時代に華美に装飾された当地漆器は多く輸出され、ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館でも展示されている。

– 宮崎漆器  戦後に沖縄から伝わり琉球漆器の流れを汲む。独特の堆錦(ついきん)という加飾法に特徴がある。

– 琉球漆器  温度と湿度が必要な漆器の特徴として、沖縄は漆器を作るのに非常に優れている環境。堆錦、沈金や螺鈿、呂色塗、春慶などの様々な技法を使うのが特徴。

 

など、青森から沖縄まで全国各地に有名な漆器は多数あるのです。

その歴史と実績は古く16世紀末から

日本の漆器は西欧に輸出され人気を博し、

漆自体が手に入らないヨーロッパ諸国では

自分たちでも似たものを作ろうと編み出した技法を

「ジャパニング」と呼ばれたそうですね。

一説にはジャパンの語源になったとか。
すごいぞ日本の伝統工芸!

漆や漆器について興味ある方は、漆の歴史から調べて見ると
より漆に興味が湧いてくると思いますよ!

 

漆喰(しっくい)は、

消石灰を主成分とする建築材料で、
古くから城郭、神社仏閣、武家屋敷などに使われている白壁として幅広い世代に認識されています。


現代ではマンションや鉄筋コンクリート構造などの建築物の内装材として人気がありますね。

日本での歴史は古く、
製法が古墳期に大陸側から日本へと渡来し、
高松塚古墳の壁画として残っています。

中国での漆喰は粉刷(fěn shuā)と書きます。

では、なぜ日本では漆喰になったのでしょうか?

日本に入ってきた時に当て字として「漆喰」としたそうです。
なので、漆の成分は漆喰に入っておりません。

漆器の伝統的な色は黒と朱色で、漆喰は白壁に象徴されるように白色という

色としても違いがあります。

漆喰は漆と字は一字同じですが、成分と使用目的が違います。

漆喰は主には建材、漆は塗料や漆器として使われています。

なので、漆喰は漆ではありませんよ!

 

 

(2017年10月9日に以下追記しました。)

漆喰と漆の日本での歴史の違い。

漆の歴史は6800年前に、輪島塗りの産地から近い七尾市の三引遺跡から

漆製品が発見されています。

 

漆喰の歴史は4000年前(縄文時代後期)の、千葉市の大膳野南貝塚で

調理施設として使われていたとされる炉穴内部や周辺の床に

厚さ1センチほど塗り固められた状態で漆喰が出土しています。

この漆喰は住居を放棄する儀式に用いられたのでは?という仮説があります。

どのような漆喰だったのでしょうか?

かなり荒っぽい漆喰だったに違いありませんが、

実際のところはどうだったか?わかりませんね。

 

大膳野南貝塚の2800年以降後に、高松塚古墳、キトラ古墳の史跡に

漆喰が使われているのが確認できます。

この漆喰壁は定期的に公開しているので実物を確認してきました。

当時の漆喰は大枠で近年の漆喰に近いようでした。

 

そして、漆喰も漆もどちらも一千年単位の技術なんですね。

文字ですら時代を越えると4000年も6000年も同じとして残っていません。

年々変わっていきますね。

 

時を超えてこの現代にも残っている、

いわば人類の叡智です。

 

漆喰も漆も、どちらもすごい歴史ですよね。

 

両方の素材に言えることは

人類の歴史と共に実証されていること。

このようなものって他にありますか?

 

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