漆喰の原料は消石灰、スサ、のり類、水といった自然素材を中心に作ります。
【漆喰の原料】
・消石灰 ・スサ ・のり類 ・骨材(コツザイ) ・水
これらが基本的な原料となっています。
漆喰は日本では1300年前からお城に使われ、今もなお家の外壁や内装の壁材として使用されています。
ただし最近では漆喰にも (自然素材100%のものやF☆☆☆☆製のもの、ペンキみたいにローラーで塗るタイプの漆喰など)いくつかの種類があり、それぞれ原料が異なります。
この記事では、このような漆喰の種類による原料の違いについて解説していきます。
もくじ
自然素材の漆喰の原料について
この記事の冒頭でも説明したように、漆喰とは基本的に「消石灰」「のり」「スサ」「水」「骨材(コツザイ)」を原料としています。
これらを混ぜ合わせて半液体状にし、コテを使って壁に塗装していきます。
漆喰の原料:①消石灰
原材料の消石灰はもともと、私たちが海で目にすることができるサンゴ礁です。
何億年もの時を経て地殻変動でサンゴ礁が隆起し石灰岩となります。石灰岩は鍾乳洞の壁や岩などにあり、採掘したものを石灰石(CaCO3)といいます。
そして、この石灰石に熱を与えることで「生石灰:CaO」(酸化カルシウム)となり、さらにこれに水を加えることで「消石灰」となります。
漆喰の原料:②スサ
スサは別の言い方で「つた」とも言われます。
自然素材のスサには「藁スサ」や「麻スサ」「ひだしスサ」といったようなものがあります。
漆喰が乾燥していく際に水分が抜け縮んでいきます。
この縮みによる壁のひび割れを防止するつなぎ材としての役割と増量材としての役割があります。
漆喰の原料:③のり
自然素材の漆喰では「のり」に「海藻のり」などが使われます。
のりは接着性と仕上がりがキレイになるように乾燥するスピードを遅めるために入れられます。
消石灰とスサだけでは乾燥が速く仕上がりが上手くいきません。このため、のりは重要な役割を果たすのです。
漆喰の原料:④骨材
自然素材の漆喰には骨材に、山や川など天然から取れる砂を使います。
その他、骨材としてフライアッシュ(火力発電所で発生する石炭灰)、溶融スラグ(焼却ゴミで発生した灰)など、いわゆる産業廃棄物が使われることもあります。
漆喰は100年ほど掛けて石灰岩に戻っていくことで強度が強くなりますが、塗ったばかりの頃は強度が弱く、表面に傷が入ったりすることがあります。
ただし、骨材を入れることで初めから硬さを保つことができ、骨材は強度アップに繋がる役割を果たします。
その他にも、防水性を高めるために油、墨を入れて黒っぽく色を付けたりするようなケースもありますが、
ここでは私たちのロハスウォールの自然素材100%の「本格漆喰」と「カキ本格漆喰」の原料を紹介します。
本格漆喰
・岡山産消石灰
・岡山産石灰石粉
・岡山の一級河川の水
・100%自然素材の海藻糊
ロハスウォールの本格漆喰の原料はこの4つです。
同じ産地での素材同士は馴染みがよいため塗りやすくなり強度も増し、よい漆喰が作れます。
そのため、岡山産の消石灰や水、骨材としては岡山産の石灰石を粉にしたものを使用しています。
またロハスウォールでは、創業75年以来研究してきた独自の配合により漆喰にスサを使用していません。
ロハスウォールの漆喰はスサを入れていないにも関わらず、漆喰にひび入ることはなく、スサによる原料のかさ増しがなくなるため、漆喰としての一般的な漆喰より高い性能が発揮できます。
究極にシンプルな自然素材だけを使ったのが本格漆喰です。
価格やカラーバリエーション、塗装面積などの詳しい情報はコチラから見れます。
カキ本格漆喰
・岡山産消石灰
・牡蠣の殻
・岡山の一級河川の水
・100%自然素材の海藻糊
ロハスウォールの高級カキ本格漆喰の原料はこの4つです。
カキ本格漆喰は昔からの漆喰のような仕上げには最適な漆喰です。
滑らかに、平らに塗りやすく、シルクのような肌触りです。
価格やカラーバリエーション、塗装面積などの詳しい情報はコチラから見れます。
F☆☆☆☆製漆喰の原料について
F☆☆☆☆製漆喰の場合は原料は「消石灰」「のり」「スサ」「水」「骨材(コツザイ)」です。その点は100%自然素材の漆喰と同じですが
しかし、のりには「化学合成接着剤」という酢酸ビニル樹脂系やエーテル系、アクリル樹脂などの化学物質を使用します。
そもそもF☆☆☆☆とは、化学物質から出るホルムアルデヒドの放散量が 0.12mg/l 以下である場合のマークです。
ここからも分かるようにF☆☆☆☆であるということは、化学合成物質の入ったのりを原料に使用しているといったことが分かります。
化学物質によってホルムアルデヒドが発生することから、シックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康への被害が懸念されます。
※厚生労働省では室内空気濃度指針値において危険な13種類の化学物質が設定されており、建築基準法ではその中の2種類のホルムアルデヒド(F☆☆☆☆)クロルピリホス(使用禁止)のみ規制が行われてるのが現状です。
一方で化学物質を使ったF☆☆☆☆規格の漆喰は、性能面や健康被害といったデメリットがあるものの、自然素材の漆喰より材料費を安くできることが大きな特徴となっています。
また、F☆☆☆☆規格製、自然素材の漆喰に関係無く、
スサの代わりに「アクリル繊維」「ポリエステル繊維」などの化学繊維を使っている漆喰ものも多く販売されていあります。
こちらも化学物質を使うことで材料費を安くできる一方で、
自然素材の漆喰に比べ「調湿性」「消臭力」「抗菌性」などの壁材としての性能面では劣ってしまいます。
ちなみに、スサの代わりに「アクリル繊維」「ポリエステル繊維」などの化学繊維を使っているかどうかは商品の成分表や、直接メーカーに問い合わせて確認する必要があります。
ローラータイプの漆喰の原料について
ローラータイプの漆喰には、消石灰がほとんど含まれておらず原料のほとんどが化学合成物質となっているものが多いです。
中には、漆喰風の壁材となっていて商品パッケージの成分表に「消石灰」の記載がなく、漆喰の主原料となる消石灰が全く入っていないものもあります。
このようなローラータイプの漆喰は、液化しているためコテを使わずペンキのようにローラーで簡単に塗装できます。
そのため施工費用を安く済ませることも可能ですし、DIYでも簡単に塗装できます。
また、塗り厚も薄いことから材料費も安くなります。
ただしコテで塗った場合に比べて塗り厚が薄いことから、下地の形状がそのまま露出して凸凹してしまい漆喰ならではの平な表面ができないことや
自然素材やF☆☆☆☆製の漆喰に比べ性能は大きく劣ります。
また、化学物質が多く含まれていることからアセトアルデヒドが発生し、(実際にはアセトアルデヒド以外もでてきます)シックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康への被害が懸念されることが特徴です。